鹿児島で研修医してます。

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【論文】熱性けいれんと熱性けいれん後の無熱性てんかん発作の発症の危険因子

最近入院で初発の熱性けいれんの方を担当したので熱性けいれんについての論文を読んでみました。

 

現在小児科ローテーション中なので、小児ちゃんとも、ご両親ともかかわることが多く、成人の患者さんとの違いを痛感する毎日です。

そんな小児科もはや3/4が終了し、いろいろと勉強したことがまとまってきたので、へたくそなパワポですが、出していきたいと思います。

 

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読んだ論文はSeizure:EuropeanJournalofEpilepsyの 

Febrile seizures: Are they truly benign? Longitudinal analysis of risk factors
and future risk of afebrile epileptic seizure based on the national sample
cohort in South Korea, 2002–2013

 

はい、コピペができるようにテキストでも置いておくので、ぜひ読んでほしい。

なかなか濃い内容で読み込むのにめっちゃ時間かかりました!!!

 

Abstractは本文をまるっとまとめただけなので、省略。

 

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タイトル通り、熱性けいれんの危険因子と、熱性けいれんの発症後に無熱性てんかん発作になる危険因子について分析します!ってことですね。

 

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Table1-4では仮説①についての分析の結果をそれぞれ個人ごと、ケースごとに書いてます。

個人ごとにみると男性、早産、出生時の脳損傷が、

ケースごとにみるとより若年、男性、早産、消化器・泌尿生殖器感染症、敗血症、熱性けいれんん発作の回数、無熱性てんかん発作を疑う熱性けいれんのエピソード、出生時の頭部外傷、脳性麻痺

熱性けいれんの危険因子と分析されています。

 

この論文を読んでると、救急外来とかできた5歳以下の小児にはスクリーニングとしてルーチンに出生時の問題点がないか、おおざっぱにでも聞いとくと、よいのかもしれない。

うーん、でもそもそものけいれんの発生率が10人に1人ぐらいだと考えると、お母さんの不安をあおるだけなのかもしれない、、、

けいれんのリスクが高い2-3歳の小児だったらルーチンに聞くぐらいで、いい塩梅を探るのが多分大事。

 

では次。

仮説②!

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無熱性てんかん発作の診断の危険因子としては熱性けいれんの合計回数、年齢、出生時の脳損傷の既往が関連しているみたいでした。

 

確かにけいれんを何度かしたことのある人には脳波のスクリーニング検査にかけるって上級医が言っていた。

聞いたことある。さすが上級医。

 

この後に考察が続くんですが、、、

これが結構長いので、確実にこの記事が間延びしてしまう。。。

どうしても気になる人は、この論文フリージャーナルなので自分で読んでいただくとして。

 

この論文のいいところは多分、細菌感染症や、消化器・泌尿器感染症でけいれんのリスクが上がるというポイントが分かったこと。

もしけいれんを何回かしている人で、尿路感染症で受診したら、一応リスク高いし。ルートキープしとこう!

とかの参考になると思います。

 

この論文の微妙ポイントは家族歴に関しての分析がないこと。

まあ、ないデータは分析できないというのはごもっともなんですが。

普段の診療でもけいれんの患者さんは、家族歴とか無心でとっていたのに。。

考察に出てきた先行研究で遺伝学的に関連があるっていう分析が出ているので無関係ってことはないと思うけどな。これから勉強します!

 

熱性けいれんにいいついての論文読みました。

抄読会に出したので今回は割ときれいにまとめてたから記事書きやすかった。

 

それでは皆さん。また、そのうち!